May 25, 2011, 9:59 pm
Posted by:ck
Category: 映画
サンローラン

久しぶりの映画。選んだのは、結末がヨメル”the King's speech"ではなく、デザイナー、イブサンローランのドキュメンタリー。パートナーのピエールベルジェとの関係、そして二人の美術品収集の過程、そのコレクションがオークションにかけられるいきさつを追ったものである。以前、BBCで観たカールラガフィールドのドキュメンタリー“The House of Chanel”に比べて、かなり重いトーンが貫かれていた。それは、サンローランが生きた時代のせいかも知れないし、オークションにかけられた美術品の存在がそうさせたのかも知れない。それはそれで、美しい人、美しいものが次々に登場し、羨ましい限りの家々にうっとりもして、映画として充分に楽しめた。とはいうものの、サンローランの苦悩については、それなりに露骨であり、パートナーベルジェの生々しい証言もあって、重い気分が見終わってから押し寄せた。美しい家を次々に手に入れ、世界最高の美術品と一緒に暮らしても足りないくらい、傷は深かったのだろうか。ものをつくる苦しみは、二人の関係を何度も脅かしたに違いない。その痛みを思い出すくらいなら、全部をばらばらにして売り払ってしまった方がマシ、ということだったのか。
それにしても、二人の家のすべてが美しかった。特にブリタニーの家。
バラバラなものが所狭しに置かれ、微妙に配置され、それでもって見事に調和がとれている。いかにも、ヨーロッパ。少し懐かしいヨーロッパ。

絵は、サンローランとは特に関連性はないが、このところの晴天をイメージしてのチョイスです。



July 29, 2009, 11:27 am
Posted by:ck
Category: 映画
バルセロナ

woody allenの映画は、結構見ている。
数えてみたら、25本以上は見ていた。
何がいいって、会話がいい。
音楽がいい。主人公の住んでいる家がいい。食事のシーンがいい。
最新作の"それでも恋するバルセロナ"も、先に記したカテゴリーで、すべてハイスコアをマーク。何気ない会話にも深い意味が盛り込まれていて、映画を観てから何日も、いろんな場面のいろんな台詞が頭の中を往来しているのだ。
さらに重要なポイントは、どの登場人物についても、長所と欠点が丁寧に描かれている。だからだろうか、確かにこんなことあるよねえ、と無理なく思えてしまう。

プロットが見え見えで、ヒーローと悪人の区別が白と黒のようにはっきりしている映画が多い中、woody allenのつくる映画にどうしても惹かれてしまう。
子供とか動物を使わなくても泣ける映画はきちんとつくれるという、見本。

myspaceのページ、少し新しくしてみました。ビデオも見れます。
良かったら、のぞいてみて下さい。
www.myspace.com/yongen

今日の絵は、バルセロナのイメージで。


July 3, 2009, 2:02 pm
Posted by:ck
Category: 映画
The Diving Bell and the Butterfly

今朝は、wowowで映画”The Diving Bell and the Butterfly”をみてしまった。本当は朝の8時から映画だなんて、許されるはずがない。かと言って、見過ごすこともできない。そもそも、どうしてこんないい映画を、誰も見ない朝の時間帯に放送するのでしょうか?

あれは何年前だろうか。タイトルを初めて見た時から、引きつけられてしまった。
潜水服と蝶々?同タイトルの、フランスでベストセラーになった本に基づいている。映画を監督したのは、ジュリアンシュナーベル。
彼のつくる映画って、とても美しく、切ない。ものづくりの過酷さと、哀しみ。これが、彼にとってのテーマらしい。一本目の映画の主人公が絵描き。二本目は、詩人。そして、この映画では肉体の機能を奪われた花形編集者。

ジュリアンシュナーベルって、昔割れた皿をキャンバスにくっつけるアートで彗星の如く登場し、アート界のスーパースターとなってからは、映画、本、ホテルの内装まで幅広く手がけている。
でも、わたしにとっては、映画の人。映画を撮るようになってから、俄然見方が変わりました。ついでに言うなら、映画の中の音楽の趣味も、最高です。
”The Diving Bell and the Butterfly”の中でも、一押しの音楽的名場面があるのですが、テレビだとまるで伝わってこない。
Edgeのギターの音とオープンカーに乗った女性の長い髪、この2つの要素だけで成立してしまう感動のカット。しかし、ギターの音が映画館で観た時と全然違って聞こえるのは、一体なぜ?


写真は、映画とは関係ないのですが、次回作の中の一枚。 

May 29, 2009, 11:11 am
Posted by:ck
Category: 映画
angels are here in this room

ムービーデー。
選んだのは、ロンハワード監督の”天使と悪魔”。本当は”グラントリノ”にしたかったのだが、あまりに哀しすぎる映画は今日ムリと判断した。
満杯の映画館で、本編の前に予告編を10本近く見せられた。しかも、アクションものばかりだ。本編が始まってもいないのに、疲れて帰りたい気分。少しは、明るい予告編も混ぜればいいのに......たかが15分くらいで地球が危機に瀕しているという台詞を100回は聞いたような気がする。危機は現実で十分だと思うけれど。
やれやれ、やっと本編が始まったと思ったら、いきなり悲鳴だ。まだ登場人物もわからないのに。もう帰りたいという気持ちだったが、トムハンクスがプールをゆったり泳ぐ場面に変わって、辛うじて踏みとどまった。
それほど高い期待も抱いていなかった。が、思った以上に引き込まれた。

May 23, 2009, 12:02 pm
Posted by:ck
Category: 映画
slumdog millionaire

Slumdog Millionaire をようやく観ることができた。
久しぶりに、映画らしい映画を観たなあ。
Trainspottingの時も思ったけど、Danny Boyleは映画の絶対音感ならぬ、絶対リズム感を持った監督だ。言い換えれば、映画監督になるために生まれてきたような人。脚本が良かったことは言うまでもないが、それを上回る映画らしいリズムが、この人の映画にはある。
撮影技術とか編集技術の進歩が映画の進化に繋がるのも、こういう監督が存在してこそ。それでいて、何が言いたいのかはっきりわかる。今回も、テーマは重い。
それでいて、映画は所詮映画なのよとばかりに、軽く終わる。

余談ですが、映画に出ているコールセンター。
あれって、ご存知ですか?スコットランドのおばさんが公共料金の相談窓口にかけているつもりで実はインドのコールセンターにかかっているという、あのシーン。
まさに、イギリスにおけるわたしの日常生活のheadache no.1。
英語がわからないのもあって、相談するたびに事態はもつれていくばかり。その酷い対応と、事態のもつれ方もハンパじゃない。今思い出しただけで発熱しそう。

同じ地域とは言わないが、せめて同じ国に住んでいる人に相談したいんですが.......。コールセンターの存在が、イギリスを駄目にしていると思います。はい。

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亀井登志夫と亀井知永子のユニットyongen。tkが曲をckが詞を書く。 長いロンドン生活にピリオドを打ち、東京に帰ってきた。 日々の暮らしの中から生まれるyongenの音楽。

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